音楽監督のポール・イングリッシュビーは、プロクレイマーズの曲をアレンジし、まずはスタジオでインストルメンタルを録音した。その後、出演者たちの歌を指導し、録音作業を監修した。そして最後にポスプロで管弦楽のキューを加えた。
撮影期間は6週間だったが、リハーサルに4週間が費やされた。マクドナルドはリハーサルについてこう語る。「まるでショーの公演のようだった。俳優たちが成長していく姿を確認することができた。充実したプロセスだったよ。」
プロクレイマーズの歌のテンポが変更されたシーンもある。例えば、「Hate My Love」は本来迫力ある激しい曲調の歌だが、曲のペースを落としたことで、悲しみに打ちひしがれたジーンが歌う優しいバラードへと変わった。イングリッシュビーはこの歌を、ギター2本とホロックスの歌声だけで作った。また、ミュランが銀婚式のパーティで「Oh Jean」を歌う重要なシーンの撮影は、グラスゴーの労働者向けの酒場で行われ、数千もの豆電球で飾り付けられ、120人のエキストラが集まった。
物語はプロクレイマーズの歌の物語とは、必ずしも一致していないとフレッチャーは語る。「例えば、「Misty Blue」はスコットランド人でいることの意義について歌っているけれど、映画ではラブソングとして使っている。メッセージ性の強い歌をとても個人的で繊細なことに使うのは面白いよ。ストーリーテリングにたくさんの意味合いと重々しさを加えてくれるんだ。」
プロクレイマーズの代表曲で、世界的にも知られている曲「I’m Gonna Be(500Miles)」が、壮大でアップビートなフィナーレを飾る。観客の感情に強く働きかけるクライマックスにしようと、フレッチャーはこの曲にエディンバラの街頭で撮影した大規模なミュージカル・ナンバーを加えた。このフィナーレでは、マッケイとトーマス、さらにエキストラ500人が情熱を込めて歌い上げた。プロクレイマーズのクレイグは、「僕らの手を離れて、この曲にパワーと命が宿った」と讃えている。